劇団風斜
80 年結成。60 年代のアングラ精神で、ガード下やゴミの装置など、新たな劇的空間を探し求めてきた。
現在は都市的状況と過剰に同調しつつ、「リアル」という価値を作り出そうともがく。2010年8 月にはKAVC で、57 回公演「わが闇」(ケラリーノ・サンドロヴィッチ作)を上演する。
劇団風斜/ 代表・演出家
蓬莱裕史さん
劇団風斜代表。創立からの唯一のメンバー。革命はその過程も革命的であらねばならぬ。同様に、芝居作りの過程こそ一番劇的だとか、高校演劇の経験から、若者の演技指導は巧いとか、勝手に思い込んでいる。表現性において突出する、それがアマチュアリズムだ。
表現することとは、生きること。
『劇団風斜』は、第1回「唐版・風の又三郎」をはじめとして「アンダーグラウンドの作品を上演しよう」との熱い想いで幕を開けた。旗揚げ以降30 年間、毎年数回の公演をコンスタントに続けている。現在はシェイクスピアからケラリーノ・サンドロヴィッチ作品まで、ジャンルにこだわらず感覚に合った脚本を選ぶ。真剣に本を読み込み、作品世界にぶつかる。答えを探り、体を動かして演じる。歳月を経ても、表現活動の理由かつ目的である「アングラ精神」は、常に『劇団風斜』の根底に流れている。代表を務める蓬莱裕史さんにお話を伺った。
演劇の本質は友情。
中学生の頃から常に演劇に関わってきた蓬莱さん。役者というものは本来恥ずかしがり屋なのだという。だからこそ登場人物になり切り、その台詞に自分の感情を重ね、舞台での表現に託すのだ。
更に、共演者とのやりとりを経て芝居は創られていく。そう、演劇とは人との出逢いでもある。蓬莱さんは、新しく劇団に入ってくる若い役者とも真剣に台詞を読み合う。
難しいといわれる名作に、あえて取り組む。その面白さを共に感じたいから。
できるだけ自分たちの手で。
「『この劇団は演劇部や』といつも言うてるんです」と蓬莱さん。役者やスタッフという区切りなく、全員で何でもやっていこう、という意味だと言う。表現、創作に取り組んでいるからこそ、プロに任せて効率的に分業を計るよりもっと大切なことがある。手足を使い、完成までの行程を目の当たりにすることや、知恵をしぼり、汗をかくこと。最近では劇場の設備が高度になったので、すべて自分たちでとは行かないが、それでもなお、迫力や人間らしさなど体温が直に伝わる舞台が出来上がることに変わりはない。できることを自分たちなりのやり方でやっていくだけ、という蓬莱さん。どこまでも骨太、かつ自然体だ。
「舞台は派手に!」その訳は・・・
舞台は架空の世界。だからこそ派手にやりたい。血が流れるのも、泥の中を這いずり回るのも、野外でやるのも面白い。
ありったけの声と体で表現したい。エネルギーが炸裂するような、言わばお祭りのようなもの。日常生活を再現するようなやりかたでなく、人間を、世界を、舞台ならではの真実味の溢れる誇張で示したい。
「表現をしていないと自分が自分ではなくなるような感じがする。世間のサイズに合わない奴、行儀の悪い奴はみんな放り出す、そんな世の中嫌でしょう」と話す。
枠にはめられて生きるのはつまらない。
そんな根源的なパッションを、舞台という小さくも偉大な砦に於いて作品として昇華させていく。蓬莱さんは演劇をとおして、いつまでも自分自身であり続けるのだろう。
KAVCホールはこんな場所!
創作のイメージがふくらむ舞台。
毎回新しい可能性を感じさせてくれる。
僕たちにとってKAVCホールとは、やればやるほど色々試したくなる場所。基本舞台を撤収してアリーナ状態にしたり、ばらして組み替えたりできるのも、可能性を感じさせてくれます。大がかりな作業になるので、大変ではありますが。「客席から議論しているのをのぞき込んでいるような見せ方ができないか」など、毎回具体的なイメージを描いて形にしていきます。
大道具などは別の場所で製作しているため、いざ仕込みに入って組み立てると、思っていたような感じにならなくて悔しい思いをすることもあります。
設備と環境の整った KAVCを中心に、神戸の演劇、ステージ文化が活発になればいいな、と思っています。



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劇団HP:http://www.medianetjapan.com/2/20/drama_art/fusha/