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私は「既にあるもの」を摘んできて作品にする。そういうものには人が漠然と抱いているイメージ、またそのイメージによって生じた臭いの様なものが備わっているからだ。
例えば私は他人の作品を題材として借用することがあるが、どんなに良い作品でもあまり一般
に知られていないものではだめで、人が見てそれとわかる有名な作品はそれが愚作といわれているものでも私の作品の材料としては良い。後者の方には何らかの定着したイメージが備わっているからだ。少し話が離れるが新製品のオモチャと昔からあるオモチャとでは先のような理由でやはり後者が良いのである。
そのような「既にあるもの」が持つイメージを誇張したり、またあるもののイメージとまた別
のもののイメージを組み合わせてみたりと、ものとそのイメージをいかに演出するかというところにつくる意識が一番働いている。
写真は私のそういう作業にとても便利なものだ。実物に忠実でそして実物より細工、演出しやすい。写
真に置き換えられたいくつかの「既にあるもの」をパズルやカードの様に配置し、並べ替えたり距離をつくったり同じものを繰り返したり、という行為によってできる関係や意味合い、そしてそれぞれの表情の変化を楽しんで写
真に撮っては細工し、新しく生まれるイメージに期待を寄せる。
(※この略歴、文章はアートアニュアル'98パンフレットに記載されたものです)
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