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人は自分の顔を見ることはできない。
鏡や写真の中にいるのは切り離された自分、時間を距離によって隔たれた自分の像であって今、ここにいる、そのものの私と対する術をもたない。
その像はよそよそしく、見なれた顔をしてはいても、かつてあったなじみ深さは消え失せ私をつき放す。
彼女は私であっても、私は彼女ではない。
私の顔をした他人。
気を許せば何をしでかすかわからない、捕らえようとすれば姿を変えて身をかわす。
名前も実体もない彼女を追いかけてるうちに名前も実体もあったはずの自分の輪郭が滲んで消えてしまう錯覚に襲われる。
その眩暈に似た感覚を言葉にはできない。
私はまだ彼女を追いかけ続けている。
(※この略歴、文章はアートアニュアル'97パンフレットに記載されたものです)
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