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私は小さい頃からアニメを見るのが好きだった。子供の頃は、アニメの世界というのは、現実と似て
いるもう一つの世界として、どこかに存在していると思っていた。そして、アニメの絵柄の数だけ世界
が無数に点在している気がしていた。現在アニメーションは日々発展していき、もはや造り物か実物かの境界が危ういものまである。私はその境界が近くなってゆくにつれ違和感を感じる。私が子供の頃から感じていた魅力というのは、もっと手前の方にあったのではないか。実物ではなく、絵が動き、生き物として存在している世界。けれどもそれは全く次元が違う世界なのである。私は実物と絵との次元を少し近づけてみようと思い、写
真の中に絵を描いてみた。私の撮った写真の中で、頭の中のイメージが動く。ぱたぱたと早歩きするような微妙なスピード感と、ピアノの鍵盤をめちゃくちゃにひいているような場面
の切り変わりは、奇妙だけれど私には心地良い世界だ。この世界は現実には存在しない。しかし私の目の前に視覚として確かに現われている。スクリーンに投射された世界を映画を見るように一歩下がって見る。その空間をさらに一歩下がって見た時、そこは私の造った仮空の世界と現実との次元をつなぐ空間なのだと思う。
(※この略歴、文章はアートアニュアル'02パンフレットに記載されるものです)
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